社会学評論
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社会運動論から社会理論へ
深化, 展開, そして構想力
野宮 大志郎
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キーワード: 社会運動, 社会学, 社会理論
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2006 年 57 巻 2 号 p. 223-239

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抄録
社会運動論と社会理論との関係はどのようなものか, 運動論が社会諸理論にいかなる影響を及ぼしうるか.本稿はこの問いに答えるために, 社会運動論と合理的選択理論, 運動論と国家論・革命論また社会科学論, そして運動論とグローバリゼーション論との交渉過程を検討する.検討の結果, 社会運動論は社会理論を深化させ, その展開に寄与し, また社会理論の主体的な構想を促す力となると論じる。この検討結果は, 社会運動論と社会理論という2つの学問領域の問で相互に独立な関係と包含関係の2つが設定可能であること, 換言すれば社会理論と社会運動論は相互に独立的・外在的である場合と, 社会運動現象や運動論そのものが社会理論の構成要素の一部または全体となる場合があることを示唆する.本稿の最後に, 運動論と社会理論との関係の歴史的変遷に対する解釈を提示する.
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