クルックス管は以前から中学校の学校教育現場で電流と電子の流れの教材として広く用いられているが,非常に高い強度のX線を放出する製品が存在する.しかしながらエネルギーは20 keV程度と低いため,一般的なサーベイメーターでは正しく測定することが出来ない.そのため,学校教育現場で負担無く安全に実験を行うための運用上のガイドラインを提供する必要がある.本研究では蛍光ガラス線量計もしくは電離箱により線量の評価を行い,誘導コイルの設定による線量の変化を評価した.また,CZT検出器によりエネルギースペクトルの評価を行った.クルックス管からのX線はパルス状に放出されるため,パイルアップを避けるために計数率を極端に下げる必要がある.また,GMサーベイメータなどでも線減衰係数を求めることで実効エネルギーを評価できた.