人工呼吸
Online ISSN : 2436-3103
Print ISSN : 0910-9927
原著
COVID-19患者におけるVAPの発生率およびVAPに伴う菌血症の発生割合の検討
恒光 健史鈴木 崇生松本 優
著者情報
キーワード: COVID-19, VAP, 菌血症
ジャーナル フリー

2022 年 39 巻 2 号 p. 177-183

詳細
抄録

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者における人工呼吸器関連肺炎(ventilator associated pneumonia:VAP)の発生率およびVAPに伴う菌血症の発生割合を検討するため、48時間以上人工呼吸管理が実施された患者を対象に、単施設後方視的コホート研究を行った。VAPに伴う菌血症は、痰培養から分離された菌と血液培養から分離された菌が同一であるものとした。COVID-19患者114名、非COVID-19患者198名を組み入れ、VAPと診断された患者はそれぞれ41名(36.0%)、15名(7.6%)であった。VAPの累積発生率は、有意にCOVID-19患者で高かった(ハザード比3.30[95%信頼区間1.18~9.25])。VAPに伴う菌血症の発生はCOVID-19患者で41名中15名(36.6%)、非COVID-19患者で11名中1名(9.1%)であった(p=0.14)。COVID-19患者はVAPの発生率は高く、またVAPに伴う菌血症の発生に有意差を認めなかった。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本呼吸療法医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top