2023 年 40 巻 2 号 p. 163-167
目的:侵襲的陽圧換気(invasive positive pressure ventilation:IPPV)導入時の症例の特徴における人工鼻(heat and moisture exchanger:HME)から加温加湿器(heated humidifier:HH)に変更となる要因を検討する。
方法:2021年3月1日から2022年10月31日の期間に広島赤十字・原爆病院でIPPVを使用し、導入から離脱までHMEを使用した症例はHME群、HMEからHHへ移行した症例はHH群とした。IPPV導入時の症例の特徴について2群間比較を行い、その後、加温加湿不足関連要因分析を行うため、多重ロジスティック回帰分析を行った。
結果:対象はHME群119例、HH群36例であった。特徴の比較では全44項目中16項目で有意差が認められた。要因分析の結果、神経系疾患および呼吸器系疾患、P/F比低値、血糖高値の関連が示唆された。
結語:神経系疾患および呼吸器系疾患、P/F比低値、血糖高値の関連が示唆された。これらの特徴を有する症例ではIPPV導入時からHHの選択を検討する必要がある。