日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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イブニングセミナーⅢ
パルスオキシメータ臨床応用
一和多 俊男
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2007 年 17 巻 3 号 p. 225-230

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抄録

急激な高度低酸素血症は生命にとって非常に危険な病態であり,パルスオキメータによる酸素飽和度(SpO2)の測定は低酸素血症の早期発見に有用である.また,パルスオキメータはSpO2の非侵襲的連続測定が可能であるため,手術・運動・睡眠時などにおけるSpO2のモニタリングにも有用である.市販されているパルスオキメータの測定精度は,SpO2の70~100%の範囲で±2%(SD)とされているが,SpO2<70%の高度な低酸素血症ではSpO2値の正確性は低下する.SpO2値の誤差原因としては,循環不全による拍動シグナル低下,異常ヘモグロビンの存在,マニキュア,プローブの動きと体動などが報告されている.しかし,昨年の本学会で,個々の誤差原因が存在してもプローブの改良などによりSpO2値が比較的正確であることを報告した.今回は,昨年の発表と一部重複するが,SpO2値の解釈における注意点,誤差原因を種々に組み合わせた影響と携帯用酸素供給器のパルスオキシメータ付きカプノグラフモニタを用いた比較検討結果を報告する.

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© 2007 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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