日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
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早期公開論文
早期公開論文の4件中1~4を表示しています
  • ー標準化と対象者層別化の試みー
    新貝 和也, 池内 智之, 松尾 聡, 森 駿一朗, 森 大地, 井元 淳, 一木 克之, 自見 勇郎, 河野 哲也, 加藤 香織, 津田 ...
    原稿種別: 原著
    論文ID: 24-17
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/03/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    呼吸リハビリテーション(PR)は慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において不可欠な治療介入である.しかしながら,その介入内容にはスタッフの経験によって差を認める.また,本邦のCOPD患者は欧米と比較して高齢・虚弱であることが多く,国際的なエビデンスベースのPRよりも個人の生活に焦点を当てたPRを優先すべき症例も少なくない.当院では,これらの問題点に対して,PRの標準化および対象患者の層別化を目的としたPRプロトコルを作成・導入した.本研究は,当該取り組みについて,その導入前後のPRの効果を比較することを目的とした.PRプロトコル導入前(CR群)および導入後(PC群)においてPR前後の各臨床指標の変化を比較した.その結果,PC群はCR群と比較して健康関連QOLの改善が大きかった.PR評価・介入の標準化を目的としたPRプロトコル導入は,COPD患者の健康関連QOL改善効果を高める可能性が示された.

  • 野村 菜摘, 植木 純, 熱田 了, 佐野 恵美香, 牧野 文彦, 松木 美貴
    論文ID: 24-20
    発行日: 2025年
    [早期公開] 公開日: 2025/01/28
    ジャーナル フリー 早期公開

    国内外で公開されている成人喘息に関するモバイルアプリケーション(以下、モバイルアプリ)の仕様の現状を明らかにし将来への示唆を得ることを目的として、日本からダウンロード可能な英語・日本語版アプリを解析した。iOS 69件、Android 10件がダウンロードされた。英語版が多く日本での開発は10件であった。英語版、日本語版ともに電子日誌によるセルフモニタリングを支援する機能、薬剤吸入や日誌記載のリマインダー機能を搭載したモバイルアプリが多くを占めた。医療系の学術機関主体による開発は少なく、包括的な仕様は英語版1件であった。国内外のモバイルアプリの解析により、電子日誌や教育コンテンツなど、それぞれが単一で機能するモバイルアプリが多く、セルフマネジメントスキル向上に重要な構成要素をすべて含むモバイルアプリはリリースされていない現状が明らかとなった。

  • 野間 智美, 尾下 豪人, 坂本 藍, 神田 直人, 齋藤 瑛介, 池上 靖彦, 山岡 直樹
    論文ID: 24-03
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/12/25
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:非結核性抗酸菌症(NTM)患者へのエネルギー充足率を指標とした栄養介入の有効性を明らかにする。

    方法:管理栄養士による食事調査と栄養指導を実施したNTM外来患者42例を後方視的に検討した。「エネルギー摂取量/総エネルギー消費量」をエネルギー充足率とし、摂取量は管理栄養士による24時間思い出し法を用いて推算した。

    結果:42例は年齢中央値71歳、女性が34人(81%)だった。低体重(BMI 18.5 kg/m2未満)の22例ではそれ以外の20例と比べてエネルギー充足率が有意に低かった。エネルギー充足率100%未満の21例中16例について栄養指導の3ヶ月後に再評価したところ、エネルギー充足率の改善を認め、3%以上の体重減少を示した患者はいなかった。

    結論:NTM患者において、エネルギー充足率を指標とした早期の栄養指導を行うことにより、エネルギー摂取量が増加する可能性がある。

  • 佐藤 佑香, 齋藤 佑樹
    論文ID: 23-39
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/10/30
    ジャーナル フリー 早期公開

    COVID-19肺炎後に低酸素血症となった70歳代前半の症例を担当した.自宅への復帰に向け,労作に伴う低酸素血症状態を軽減しながらのトイレ動作獲得を目指した.一般病棟へ転棟後,リザーバー付き鼻カニュラO2 5L/minの状態でトイレでの排泄練習を行うと,SpO2が77%まで低下したが,症例は楽観的な態度を示し,病識が低下している様子が見られた.セルフモニタリング能力の向上と行動変容を目指し,視覚的フィードバックを取り入れながら動作練習を進めたところ,病棟内では動作遂行が可能になった.しかし退院後の夜間の排泄を見据えた環境調整の提案については消極的な態度を示した.そこで,入院中に家族や在宅スタッフと,入院中の経過に加え,症例の環境調整に対する葛藤について共有するとともに,夜間の排泄状況について定期的に確認をしてほしいことを依頼したところ,経過の中で症例は環境調整を自ら選択し,トイレ動作の遂行が可能となった.

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