【目的】肺癌手術患者の入院期間中に生じる手術関連骨格筋量減少(surgery-related muscle mass loss;SRML)の程度,および入院期間中に生じるSRMLと術後1ヶ月の運動耐容能との関連を検証した.
【方法】対象は,非小細胞肺癌に対して肺葉切除術を施行した連続症例とした.入院期間中の骨格筋量減少((術前骨格筋指数(skeletal muscle mass index;SMI)-退院前SMI)/術前SMI×100;SMI減少率)が,術後1ヶ月6分間歩行距離(Six-minute walk distance;6MWD)/術前6MWD×100(6MWD術前比率)に影響を与えるのか,重回帰分析を実施した.
【結果】対象は105名であり,年齢が71.0歳[68.0, 76.0],男性が57名(54.3)であった.SMI減少率は4.2%[1.8, 7.5]であり,6MWD術前比率の独立因子であった.
【結語】肺癌手術患者は術後早期からSRMLが生じる可能性が高く,術後の運動耐容能回復には入院期間中に生じるSRMLの評価,および対策に努める必要がある.
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