抄録
高齢化に伴い老人性肺炎,誤嚥性肺炎の増加は非常に大きな問題とされている.嚥下食の問題として,一般的に使用されている増粘剤やゼリーの特徴の理解が必要であり,病態の問題として,誤嚥性肺炎の4病態それぞれ発生原因・治療方法が異なることを覚えておく必要がある.さらに,リスク管理として,多くの全身的要因により影響され慢性的経過をとることが多いことを忘れず,全身状態・評価環境と摂食環境を併せた総合的な判定が重要である.
これらを踏まえ,多職種の協力とチーム内の認識統一,本人・家族の希望,社会的状況,残存機能を踏まえた指導内容の決定,予防,早期治療のため地域啓発,医療・介護職の知識・技術の啓発を含む包括的呼吸嚥下リハビリテーションが進められている.