慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において,生存率といった予後に関与する身体活動量(PA)についての報告は,この十数年で数多く確認されている.健常者よりも減少しているPAに対し,近年,歩数計を利用したフィードバック介入を行う事で増加が見込めるとされている.しかし,低体重を呈した比較的高齢のCOPD患者においては,PAの増加を実現しにくい現状がある.また,筋肉量が減少している臨床像を呈する患者の高い活動性は,炎症性サイトカインの高さと関連することも伺える.超高齢化社会にある本邦の患者の臨床像を勘案し,PAの増加には低体重や低運動耐容能を改善するアプローチを優先する道筋が重要であることを提示した.機能面の制限が強い重症例にとっては低強度の活動を中心とした適切,かつ実現可能な活動性向上のアプローチを確立することも課題である.