セルフマネジメント(SM)支援のエビデンスについて近年のメタ解析では,エビデンスレベルは低いが入院減少とQOL改善が示されている.アクションプラン使用による入院減少,QOLの改善効果,あるいはコーチングによる同様の効果なども報告はある.しかしSMプログラム毎の内容や介入期間のばらつきが大きく,最も有効な介入が何であるのかは依然として不明である.現状のSMプログラムの問題として,介入内容が標準化されていないことが指摘されている.これに対し行動科学の視点から介入内容を標準化・構造化し分類する試みがある.さらに解析内容を入院や死亡,QOLなど最終的アウトカムだけで評価するのではなく,その過程に発生する中間的アウトカム(自己効力感,変容ステージ,アドヒアランスなど)の評価も必要である.これらを踏まえ一定の分類法に沿ったSMプログラム内容の標準化,さらに中間的プロセスの評価が今後のエビデンス作りのカギである.