2000 年 9 巻 3 号 p. 259-263
呼吸管理に対する伝統的な考え方は疾患肺に対する呼吸機能改善のための治療と管理を目的とするものであった.本講演では新たな呼吸管理学とは,このような既存の志向に加えて,健常肺においても,それが環境を鋭敏に反映する臓器(Ecosensitive Organ)であることを考慮した,より良い呼吸(better breathing)を達成,維持することをも目標に取り入れるべきであることを強調した.その具体例として,老人肺における呼吸管理を代表的疾病について検討した成績を呈示した.