論文ID: 20-23
慢性閉塞性肺疾患で呼吸リハビリテーションを処方され,吸入療法がすでに行われていた,または導入された患者に対して,吸入療法が適切に実施されているかを調査した.対象患者18例中7例の約4割に吸入エラーを確認した.そのうちの5例は指導・練習を繰り返し,また,多職種と連携した結果,吸入手技を習得するに至った.理学療法士は呼吸リハビリテーションにおいて,他の職種より患者とかかわる時間が長く,訓練・指導も繰り返し行い,経時的に患者を観察する.そのため個々の患者における障害の把握や病態の変化をいち早く発見でき,その患者の問題点が運動機能・認知機能的に解決可能か否かの判断ができる特性を持っている.理学療法士から呼吸リハビリテーションと吸入指導を受ける慢性閉塞性肺疾患患者は,吸入技術の習熟度が増すことによって吸入エラーが少なくなり,身体活動性も向上していくことが期待される.