高流量鼻カニュラ装着患者におけるスキントラブル発生要因の探索的検討：後方視研究

抄録

目的： 高酸素量鼻カニュラ（HFNC）装着患者のスキントラブル（トラブル）発生数と関連要因を評価した。

方法：2013～18年呼吸器病棟入院のHFNC装着患者の診療録から、性、年齢、既往歴、喫煙歴、BMI、TP、Albと装着期間中のトラブルの情報を得た。トラブル発生の有無で有意差を認めた変数を独立変数としてトラブル発生のオッズ比を多重ロジスティック回帰分析で検討した。複数回装着者は各装着を一例とした。

結果：HFNC装着81例（男82％、平均年齢71.1±10.7歳）中、トラブル発生は22例（27％）であった。癌既往保有はトラブル発生者の54.5％、非発生者の28.8％に存在し、癌既往保有の性・年齢調整トラブル発生ORは4.08[95％CI: 1.36-12.26]であった。

結論：癌既往者はHFNC装着時にスキントラブルが生じ易い可能性が示された。