感情心理学研究
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閾下感情的プライミング効果の検討
小川 時洋鈴木 直人
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1998 年 5 巻 2 号 p. 70-77

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抄録

本研究は,Murphy&Zajonc(1993)の報告する閾下感情的プライミング現象と,その生起に関わる要因を検討することを目的として行った。実験1では先行研究に準じた,プライムの閾下提示群,閾上提示群を形成して実験を行った。その結果,閾上提示群では,ターゲットの評価がプライムの誘意性に左右される強いプライミング効果が見られたが,閾下提示条件では見られなかった。実験2は,実験1の結果を踏まえ,プライムの存在に対する被験者のアウェアネスの役割を検討し,プライムが見えていることが効果の生起に決定的な役割を果たすことを示唆する結果が得られた。実験3および実験4は,閾下刺激の効果に焦点をあて,ターゲット刺激の特性,試行間間隔,プライム刺激提示時の視角,同一ターゲソトの反復提示などの要因を統制した。しかしながら,実験3,および実験4のどちらにおいても閾下プライミング効果は見出されず,先行研究の一般性に疑義を呈する結果となった。

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© 日本感情心理学会
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