研究 技術 計画
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価値転換のイノベーション・プロセス : イノベーターズ・プロパガンダ研究序説
宮崎 正也
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2007 年 21 巻 3_4 号 p. 252-268

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抄録
この論文では,クリステンセンの「破壊的イノベーション」の概念を「価値転換」および「製品コンセプトの変革」という観点から再解釈する。そのうえで,「新製品の開発・市場導入をめざす企業」が取り組むべき課題を,(1)自らの考える価値の主観的な提示=「製品コンセプトの形成」および「事業環境の設定」と(2)他者(競合企業・顧客等)の考える価値との融合=「業界価値の構築」に整理して提示する。新製品の開発・市場導入プロセスには「二重の不確実性」がつきまとうが,不確実であるがゆえに企業が自らにとって好ましい事業環境を構築できる余地が残されている。そのような世界において「価値転換のイノベーション」を推進するためには,新しい製品コンセプトを提案する革新者によるプロパガンダ活動が重要である。
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2007 研究イノベーション学会
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