抄録
ストーマ造設後の社会復帰ケア時において医療者が用いる科学的なストーマ装具選択基準を作成するために、①装具選択基準検討委員会の看護師による管理指導、②皮膚保護剤・粘着式ストーマ袋システムによる管理、③漏れがなく、期待した耐久時間が得られたもの、④管理を障害する腸管脱出、ストーマ旁ヘルニアなどの外科的ストーマ合併なかったなどの条件をみたす121例を対象に、14の装具条件と11のストーマ条件の154通りの組み合わせの特徴を比較検証した。結果は使用頻度に有意差ありが34件、有意差傾向ありが12件、有意差がみられなかったものが108件であった。耐久時間はシステム、面板の種類、面板の柔軟性、皮膚保護剤耐久性で有意差が認められた。分析結果とエキスパートオピニオンから抽出された、あるストーマ装具を『選択する基準』は9項目、『選択することを推奨する基準』は17項目、『選択することを考慮する基準』は10項目である。