本稿では「旅行に関する情報を提供するWebアプリケーション」のデザインプロジェクトをとおして見出された、情報デザインのプロセスについて考察する。考察の事例として取り上げるのは、そのプロジェクトの成果である、ハイキングコースを計画するガイドサービス、写真の代わりにイラストをつかった観光ガイド、そしてユーザが作る旅行アルバムのサイトの概要デザインである。それぞれのデザインにおいて、学生たちが、人々が「旅のガイドブック」の読みと内容理解を形成しているのかについての理解を形成しているのか、またその理解をデザインの検討につなげているのかを観察した。逆に、デザインの議論が活動理解のための視点を方向付けていることも見出した。このような、アプリケーションをデザインすることと活動を理解することの双方向的なプロセスについて、デザインプロジェクトにおける活動/思考にもとづいた議論をする。