日本デザイン学会研究発表大会概要集
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  • デザイン思考を用いた無人販売所の創造プロセスが農家の事業活動に与える影響の考察
    服部 貴哉, 杉浦 俊太郎, 大久保 達真, 新城 香, 小池 りつ子, 浅井 由剛, 早川 克美
    セッションID: 1A-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    地方衰退や農業人口の減少により、日本の農業は衰退の一途をたどっている。本研究では、農家が抱える課題をデザイン思考を用いて解決するため、これまで着目されてこなかった無人販売所を、農家と消費者をつなぐ新たなコミュニケーションメディアとしてデザインした。無人販売所の構成要素をAIDASに沿ってデザインしたことや、評価と改良の過程は有効だった。消費者から農家へメッセージを伝える工夫は、消費者が農作物を買う過程に「新たな意味」を作り出すことができた。

  • 佐々木 俊弥
    セッションID: 1A-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    現在、テクノロジーの進化によって、あらゆるものを取り巻く環境の複雑性や不確実性が増してきている。それに伴い、企業はデジタル変革への対応、社会的価値の創出のために、デザインのアプローチを活用する人材の育成や社会に変革をもたらす構想を生み出す力を高めることが求められている。社会的価値を考慮したサービスをデザインするためには、サービスのコンセプトが重要になるため、本研究ではIT企業を対象として、コンセプトデザインのための構想力の育成方法を提案することを目的としている。

  • 作り上げるためのデザインからプロジェクトのためのデザインへ
    長谷川 敦士
    セッションID: 1A-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    近年、様々な分野でバウンダリーオブジェクトの役割や重要性が認識されるようになってきた。多様な人々が協働するこれからのソーシャルイノベーションの時代には、デザインにおけるバウンダリーオブジェクトの活用は不可欠な課題である。

    サービスデザインのアプローチは、ソーシャルイノベーションの実践として期待されており、サービスデザインにおけるペルソナやカスタマージャーニーマップといった途中成果物もバウンダリーオブジェクトとしての役割を持つことが指摘されている。

    しかしながら、サービスは、生み出されたそのときから継続的な改修を行うことが必要であり、そのためには、サービスに対してのビジョンと意識を共有したチームが必要となる。

    本稿では、サービスデザインそのものをコラボレーションのためのバウンダリーオブジェクトとして捉える視点を提案し、その意義について考察する。

  • Han Shengping, KITAGAWA Hiroaki, KATO Takeo, MATSUMOTO Masaru
    セッションID: 1A-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    The sharing economy enables users to share idle resources through digital platforms between peers and is one of the effective methods to solve the problem of waste. In the sharing economy, most services are established on the peer-to-peer relationship, which makes it crucial to find a way to enhance interaction between peers. In this paper, we proposed design guidelines to enhance trust between peer-to-peer and validated the design guidelines by using a case study.

  • 辻村 和正, 浅野 花歩, 川原 光生
    セッションID: 1A-06
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本稿では企業の未来構想活動におけるトランジションデザインに着目し、その特徴でもある歴史事象の活用方法に関して述べる。具体的には、パナソニック株式会社による未来構想プロジェクトを取り上げ、実践面における課題を指摘したうえで、その克服方法を歴史事象の見つけ方・読み解き方・使い方の側面から報告する。そして最後に、事業貢献性の総評と今後の展開を述べる。

  • ― デザイン二元論の構築に向けて ―
    佐藤 浩一郎, 加藤 健郎, 松岡 由幸
    セッションID: 1B-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本報では、創発デザインと最適デザインの特質を理解するために両者を構成するボトムアップとトップダウンを2つの「元」として捉え、それに基づくデザイン二元論の可能性について論考した。具体的には、「元」を導入した概念図を示し、二元の指標化と創発デザインと最適デザインの型の可能性について言及した。

  • 効果線の有用性に着目した実験
    李 厚鍾, 伊原 久裕
    セッションID: 1B-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    認知症高齢者がピクトグラムを理解する能力を向上させるための方法について議論する必要がある。 したがって、長い間、私たちに親しまれてきた「マンガ」という大衆文化視覚媒体として活用されてきた表現技法を適用し、デザインの形を探すことに意味がある。 そのため、2005年に障害者や高齢者を対象に作成された「コミュニケーション支援絵シンボルデザイン原理(JIST0103)」を基に、認知症を患う高齢者を対象に実験を行い、その結果を示す。

  • 日本の江戸時代におけるモビテクチャーの意義
    ハンセン マックス, 渡 和由
    セッションID: 1B-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    モビテクチャーとは、モバイル・アーキテクチャーのことであり、移動性を考慮することでもののデザインを簡略化するという矛盾を抱えながら、デザイン、建築の分野で広がりを見せている新しいジャンルである。モビテクチャーの発展に貢献するために、本研究では、江戸時代(1603-1868)の日本におけるモビテクチャーを特定し、考察する。その結果、移動性が日本のデザインに加えた意味をよりよく理解することができる。また、都市におけるモビテクチャーによる人流や移動の関係を研究することで、今後の都市づくりに貢献できると考えている。

  • Chung Yi Lin, Ray chin Wu, Li Chieh Chen
    セッションID: 1B-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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  • 蘇 暢, 張 婉玉, 魏 君, 常 氷
    セッションID: 1B-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    よりインテリジェントな技術応用の恩恵を受けた新エネルギー車のセンターコンソールHMIデザインは、明確なモダンかつミニマリズムのあるスタイルを提示している。HMIのカラーデザインは、操作機能のニーズを満たすものである。それには一定の規則性と階層がある。本稿では、日本色研配色体系(PCCS)を使用して、運転の安全性確保を前提としたHMIの色の秩序を確立する方法を検討した。

    これにより車用センターコンソールインターフェースのカラーデザイン最適化を完了し、ユーザーエクスペリエンスの向上とブランドアイデンティティの向上を図った。

  • 髙橋 紀子, 川島 洋一
    セッションID: 1B-06
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    これまで著者たちは、「地域資源の記録とその魅力の発信を目的とした映像制作の手法」を研究テーマとしてきた。美しい風景や伝統文化などをドキュメンタリーとして表現する観光映像ではなく、そこに「物語」を導入する映画的手法による地域プロモーション映像の方法論的研究に注力してきた。また、ケーススタディとして映像作品を制作し、その制作プロセスにおける省察を通して、物語映像の表現における「時間性」とその多層構造に着目する視点を獲得した。本稿は、時間軸をデザインに組み込む新たなパラダイムとして松岡由幸氏が提唱した「タイムアクシス・デザイン」の文脈において、この「時間の多層構造」を論じることを目的とする。松岡氏の理論では、「マルチタイムスケール・モデル」が最も近い概念であるが、そこでは長短さまざまなスケールの時間性が論じられているものの、その多層構造までは言及されていない。本稿では、著者たちが提唱する「多層時間モデル」の有効性を検証するために、映像作品の分析を試みる。分析の対象は、第94回アカデミー賞国際長編賞を受賞した濱口竜介監督作品(原作:村上春樹)映画「ドライブ・マイ・カー」とし「時間の多層構造」の視点から読み解いてみたい。

  • 蔡侯墓出土青銅器の銘文を元にした書体のデザイン
    髙城 光
    セッションID: 1C-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本稿は安徽省壽県蔡侯墓から出土した青銅器(蔡侯盤)の銘文を元にした書体デザインの途中報告である。現代の書体デザインにおいては、概ね長文は「読む」ためのものであり、長い文章を装飾にするための書体はあまりない。蔡侯墓から出土した青銅器銘文は儀礼的な内容であり、長文でありながら器物を装飾する目的で書かれていると考えられている。蔡侯盤の金文書体は、筆画の曲がり具合や角度、抑揚などに特徴があり、筆画の特徴が長文銘に集積した結果、銘文全体に様式美が備わることは注目に値する。

  • Basic Englishのための視覚教材を中心に
    伊原 久裕
    セッションID: 1C-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    現代の標準化ピクトグラムが歴史的に排除してきた記号の特性を改めて見直すことを目的として、アイソタイプとその同時代の図像表現を「タイポグラフィック図像」として一括し、再検討した。「タイポグラフィック図像」とは、アイソタイプに埋め込まれた語で、同じ意味を表す記号は活字のように同型のかたちを用いるという用法上の含意を持つ。タイポグラフィック図像の代表的な使われ方は展開された図像であり、実際には事例ごとに微妙な変化がある。このようなタイポグラフィック図像の用法は、ノイラートの下で経験を積んだルドルフ・モドレイが渡米後に制作した図像にも見られることから、本発表は、両者がともに関わって制作したベイシック・イングリッシュの視覚教材を取り上げ、タイポグラフィック図像を再検討し、標準化ピクトグラムとは異質の図像性に光をあてた。その結果、タイポグラフィック図像をタイポグラフィックな性質、画像的な性質、さらにスクリプト的な性質の3つの傾向が組み合わさった領域として見る見方が有効であり、3つの傾向の有機的な結合を考えることが今後の課題であることを示した。

  • 山本 政幸
    セッションID: 1C-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    この報告は、シェフィールドのスティーブンソン・ブレイク社から1906年にリリースされたGrotesqueNo.9と呼ばれるサンセリフ体活字に焦点をあて、その書体デザインの特徴と、第二次世界大戦後にリバイバルした背景を明らかにすることを目的とする。 まず、サンセリフ体の分類をふまえ、Grotesque No. 9の特徴を確認した後に、そのデザイナーであるエリシャ・ペチーの略歴を概観する。次に、英国の前衛芸術家集団ヴォーティシストが刊行した『ブラスト』誌、英国欧州航空のロゴタイプ、英国祭の誘導サイン、イルフォード社のパッケージデザイン、ワトニーズ社のデザインマニュアルなど、Grotesque No.9が使用された作品事例に触れる。その上で、戦後の物資の不足、幾何学的なサンセリフ体活字への飽和感、効率的で読みやすいプロポーション、人間味にあふれた古風な書体への需要、19世紀様式への懐古趣味など、この活字書体がリバイバルした理由を示した。

  • ー印象評価の方法および形態属性の分析に着目してー
    楊 寧
    セッションID: 1C-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    文字は音声言語を視覚的な記号として表現したものである。フォントは意味と形態から成り立っていて、異なるフォントを用いると、同じ内容の文字情報であっても、視覚的に異なった印象を受ける。フォントが持つ印象が人に与える影響について、数多くの研究が行われ、証明されている。 近年、グローバル化の進展により、多言語タイポグラフィの需要が高まり、多言語表示のサインやWebサイトなどを見かけるようになっている。このような環境の変化の中、多様な言語の書体の造形から受ける印象の解明が求められており、研究者の関心が集まっている。東アジアの文字言語は、欧文と比べると字形が複雑であり、特に日本語の場合、文字種や文字数も多く、印象評価の手法が定まっていない。 そこで、発表者は、複雑な文字言語に着目し、フォントの印象を評価する手法、および印象に影響を与える文字の形態属性を分析する手法を探りたい。本報告は、まず、日本語を取り上げて、フォントの印象評価についての先行研究を概観し、評価方法およびその問題点を考察する。

  • 文字模様図案と反故染模様の比較を通じて
    伊川 絵理, 藤崎 圭一郎
    セッションID: 1C-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    江戸時代の前期から中期にかけて、文字を用いた染織図案が流行する。これらの模様は文字を絵模様と混成させ、変形や配置を行うものである。一方、江戸時代中後期にかけては反故染模様と呼ばれる模様が出現する。現在はほとんど絵画上でしか見ることのできないこの模様は、前中期の文字模様図案とは異なり、文字だけで図案の全体を構成することが特徴的である。本研究では、文字模様と反故染模様の比較を通じて、文字が図案構成上で果たす役割について考察する。

  • 石井 成郎, 鈴木 裕利, 板井 陽俊, 山下 隆義, 江尻 哲平
    セッションID: 1D-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本研究では、工学部のプログラミング教育における学習環境とペア活動との関連性を検討した.具体的には,COVID-19の影響によりサテライト形式の授業へと変更したことで、学習者の行動や学習成果にどのような影響があったのかを分析した。対象とした授業は工学部1年生の科目で、課題はLEGO MINDSTORMSを用いたロボットプログラミングであった.学生はペアを組んで課題や競技に取り組んだ.分析の結果、サテライト形式の授業においても、従来の授業形式と同じように社会的スキルを獲得できたことが確認された。また、教室の環境によって、問題解決がうまくいかないときのペア活動が変化する可能性が示唆された。

  • あいまいな事象に対するあいまいな表現のデザイン
    脇 匡史
    セッションID: 2A-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    人間はモノと相対するときに,あいまいな事象を,数値や言語に置き換え,認知していることが多くある。数値や言語の認知は客観性があり,指標とすることができ,利便性が高く広く非常に有用である。一方で個人的な体験や主観が考慮されないことがある。主観的でかたちのないあいまいな事象や体験を,モノに落とし込む時に,より個人的な体験や主観を反映できるあいまいなデザインが必要である。本研究ではあいまいな事象に対する,あいまいなデザイン表現の可能性に取り組む。またあいまいな事象と表現の関係性を,人とモノの新しいコミュニケーションの一つとして提案する。

  • 赤羽 亨, 今谷 真太郎
    セッションID: 2A-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    近年、さまざまな分野でAR(Augmented Reality)技術の活用が注目されている。AR技術を家具などのオブジェクトの配置の確認に活用する事例は多くあるが、空間設計そのものに活用する事例は少ない。 本研究では、空間設計プロセスへのAR技術の活用の試みとして、仮設空間デザインシステム「Kiosk」を用いた、空間設計をARで行うためのアプリケーション「Kiosk AR」を開発する。このアプリケーションを用いた2つの実践的なワークショップを通じて、AR技術を用いた空間設計のデザインプロセスの可能性について考察を行った。ワークショップの考察から、AR技術を用いた設計プロセスを取ることによって、従来は関わることが難しかった「使用者」と「設計者」が、協働して設計するプロセスの可能性が示唆された。

  • フェイスシールド開発におけるデジタル工作機器の活用によるラピッドプロトタイピングの実践
    倉地 宏幸
    セッションID: 2A-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本稿は,2020年に筆者と順天堂大学 森博威准教授が行った共同研究「医療機関で使用できる低コストの簡易フェイスシールドの普及に向けた研究および開発」における,筆者が行ったレーザー加工機を用いたプロトタイプ制作について報告する。ラピッドプロトタイピング(英: rapid prototyping)とは,製品開発において,製品の開発サイクルを短縮するために,文字通り,高速(rapid)に試作(prototyping)することである。一般的には3Dプリンタを用いた手法が知られている。

    当時,3Dプリンタを用いたフィスシールドのフレーム制作が活発に発表されたが,この研究では,3Dプリンタを用いてひとつずつ制作するのではなく,短期間での大量生産を前提とした製品のプロトタイプを制作して開発を行なった。フェイスシールド制作についての話題は新規性のあるものではないが,研究の経緯と概要,具体的な制作物などに触れながら,試作段階での製品を前提とした材料の選定や構造のアイデアなど,当時注目されていた3Dプリントによる制作にはない特徴を見直し,今後の改良の手掛かりとしたい。

  • 李 芊芊
    セッションID: 2A-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本研究では、立ち上がり動作におけるT字杖の定量的および定性的分析に基づいて、立ち上がり動作を中心としたT字杖の基本造形の提案をした。先行研究により、T字杖の長さ、杖を突く位置、杖の本数などの分析結果から、立ち上がり動作を補助する機能にふさわしい造形に焦点を当て、造形の可能性を探った。これらの造形は、T字杖の製品開発におけるデザインの初期構想でテンプレートとして活用されると期待する。

    本研究のT字杖はアルミ製で、高齢者に体験してもらった。エスノグラフィー調査方法で高齢者に杖を使ってもらい、立ち上がり動作を観察した。観察した結果から、本研究で提案したT字杖の基礎造形は、高齢者の立ち上がり動作に有用であると考えられる。

  • 大谷 真菜
    セッションID: 2A-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    我々の身近な場所の1つであるキッチンについて、料理だけでなくさまざまな目的で使われていることを可視化し、よりクリエイティブな場所となるような体験の検討を行う。

  • 桝屋根 ひかる
    セッションID: 2B-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    品質や機能が当たり前になった時代において、愛着の重要性が増している。本研究では、サービスへの愛着を高める要素として思い出の活用に着目した。現在は、過去の体験の記憶という大きな資産があるにもかかわらず、思い返すかどうかはユーザー個人に委ねられている場合が多い。本研究では、思い出を活用することでユーザーにサービスとの間にある関係の存在に気づかせ、愛着を高める手法の開発を目指す。今回はその第一段階として思い出の活用の可能性を探った。

  • 生きづらさを解消するデザイン
    徳田 彩
    セッションID: 2B-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    社会課題先進国の日本では、相対的貧困が増加している。特にシングルマザーは、2世帯に1世帯と貧困率が高く、直近の30年間では年々増加の一途を辿っている。本研究では、社会的に不利な状況に置かれている弱者が、さらに貧困・孤立化に追い込んでしまっている問題の要因を、日本の文化や社会制度の面から明らかにする。

  • アンケート調査からみる社会人と大学生のサウンドロゴに対する印象の違い
    池田 雅子, 杉本 美貴
    セッションID: 2B-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    サウンドロゴは企業ブランディングにおいて、古くから重要視されてきた。しかし、最近ではユーザーのライフスタイルの変化により、企業広告とユーザーのタッチポイントも変わってきている。

    本研究では、新たなデジタルメディアでのサウンドロゴのあり方(音質、メロディ、使い方など)を導出することを目的とする。企業サウンドロゴの実態を知るために、電機メーカーに対してアンケート調査を実施した。また、企業の想いが、どのようにユーザーに伝わっているかを確認するため、ユーザーに対する調査も実施した。本報では、アンケート調査から見えてきた社会人と大学生のサウンドロゴに対する印象の違いについて、考察する。

  • ギャルのマインドを持つことによって社会に訴えられる行為のデザイン
    吉田 梨桜
    セッションID: 2B-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    ギャルたちは、カワイイやあげぽよの為に駆使したプロダクトや流行を生み出してきた。 見た目としてのギャルが衰退していった現在においてギャルはマインドとして残っており、大きな力を持っている。 ギャルのマインドを抽出しデザインに加わる事によって、どのような影響が出てくるだろうか。 本研究では、ギャルのマインドについて定義し、個人がギャルマインドを持つ為の方法論を検証し、 ギャルマインドの定義に沿ってデザインを実践する事によって社会や教育に変化を起こす事を提案する。

  • 竹内 啓行, 鈴木 大生, 鈴木 渚, 橋田 規子, 蘆澤 雄亮
    セッションID: 2B-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本研究では、求人サイトでの募集記事を分析することで、企業がUXデザイナーに求める能力を明らかにすることを試みた。今回の分析を通じて、UXデザイナーはGUI設計能力を求められること、フロントエンド・バックエンドの両方の知識が求められることなどがわかった。プログラミング能力は必ずしも要求されないが、コーディングを伴うプロトタイピングの能力は求められた。

  • - ことわざかるたによる検証 -
    佐々木 舞, 小宮 加容子
    セッションID: 2B-06
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本研究の目的は様々な国や地域と日本との国民性の違いに興味を持つきっかけを作ることである。そのためにどのようなことわざが「ことわざかるた」の製作に適しているかを調査し国民性との関係性について現在わかっていることを明らかにするために現状調査を実施した。その後、ことわざかるたを制作し、検証を行った。調査の結果、本研究で作成した「ことわざかるた」は日本と様々な国や地域との国民性の違いに興味を持つきっかけになることがわかった。

  • ファシリテーター導入による提案とその有効性の検証
    原 聡司
    セッションID: 2C-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    近年、子どもを対象にした習い事は、勉強以外にもスポーツや芸術活動だけでなく、創造性に関するトレーニングなど多種多様に存在している。一方で、創造性というスキルは大人においても求められているスキルの1つであるが、世の中には親子で新たなスキルを獲得できるプログラムがあまりない。本研究では、親の声から潜在的な課題を抽出し、ファシリテーター導入による親子による共創プログラムの手法を提案し、その有効性を評価する。

  • 中原 采音
    セッションID: 2C-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    災害大国日本において、家庭での食備蓄は非常に重要である。 食備蓄のサイクルとして提示される「ローリングストック法」は、現状の人々の災害時ための食備蓄の認識の相違がある。 本研究では、災害のために備える食事を「日常食」の延長線上にあることが必要であることを明確にし、ローリングストック法の課題を示した。今後、家庭の食備蓄の促進を行うためのサービスデザインに現状のローリングストック法の課題を考慮することが必要である。

  • ポータブルスキルと第二キャリア形成との関係
    柳瀬 浩之
    セッションID: 2C-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    この研究の目的は、複業時代の新しいキャリア形成モデルを提案することである。複業を実現する上で難しいことは、2つ目のキャリアを形成することだ。リサーチクエスチョンは、第二キャリアを早期に形成するためにはどのようなプロセスが効果的か、とした。仮説は、ポータブルスキルの強みから第二キャリアにアプローチすることで効果的に第二キャリアを形成できるということである。その仮説を証明するために、既にパラレルキャリアを形成している人がどのように第二キャリアを形成したかをインタビューを行った。その結果、第二キャリアを形成する上で、設定した仮説が効果的であることが証明された。

  • 藤田 うらら, 蘆澤 雄亮
    セッションID: 2D-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    グッドデザイン賞は様々な目的を持って応募されるが、中小企業と大企業では目的の傾向に若干の相違がある。このような意識の違いから一般的に大企業では、グッドデザイン賞を受賞しても売り上げには貢献しないと言われている。

    そこで、本研究では2017年より一般公開されているグッドデザイン賞の受賞データベースと上場企業の業績データを活用しては業績変動と受賞数変動の相関係数から何らかの関係が⽰唆されうるか否かを確認することとする。

    「グッドデザイン賞の受賞が業績に何らかの影響を与えているかどうか?」という問題は従前より課題とされてさまざまなところで議論されてきた。これにあたり、イベントスタディによる研究も存在するが、サンプル数の少なさが課題として挙げられている。また、対象は国際デザイン賞に限定されており、グッドデザイン賞については研究がなされていない。

  • 木への学びと関心を促す木育プログラムの研究
    木村 はるな, 安齋 利典
    セッションID: 2D-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本研究の目的は、五感を通して木に触れることで、木に対する学びや興味を促す木育プログラムを提案することである。本稿では、これまでに北海道で実施された200件以上の木育活動の事例を9つのカテゴリーに分類し、分析を行った。その結果、学童期を対象とした五感に関連する事例が少ないことが分かり、学童期の子どもに適した五感を使った木育プログラムが必要であることが分かった。

  • 王 沢宇, 佐藤 弘喜
    セッションID: 2D-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    中国と日本の住民の生活習慣と環境意識の差により、中国ではゴミ分別は難しいと言われている。中国人と日本人による環境意識の違いを比較し、ゴミ分別による情報の認知による理解、関心度、参加度、負担感など分別行動を促進する要因を検討する。結果としては、日本のゴミ分別情報の提供方法を導入し、視覚的な情報メディアを用いて伝達し、ゴミ分別情報をもっと理解することも必要と考えられる。

  • 環境問題の自分ごと化の概念モデル
    塚本 仁志
    セッションID: 3A-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
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    本研究では環境意識が現在と今後のあるべき姿はどういう状態なのか、既存の概念モデルである狩野モデルに適用して明らかにすることを試みる。さらに「環境問題の取組み」を自分ごと化するために、人間中心設計プロセスに環境の概念を導入し、環境視点と人間視点を2つの概念を繋ぎ、現状とあるべき姿のゴールイメージのギャップを明らかにすることをを目的とする。

  • 個人の表現活動と他者との学び合いが連動した外的世界の認知
    福田 大年, 荒俣 蓮
    セッションID: 3A-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では、体験型野外観察学習プログラム「まちもじハント」の参加者の野外観察が協創によって再構成される過程を、まちもじハントを導入した授業の活動成果を基に確認した。その結果、まちもじハントの経験によって発生する野外観察の再構成には、2つの大きな特徴があることが分かった。視点の意図的な切り替え、風景の切り取り方の工夫の変化が見られること、他者と成果を見せ合って語り合うことによって採集方法に変化が見られることである。したがって、まちもじハントは、野外観察の工夫と採集結果の表出を繰り返す個人の修練過程と他者との学び合いを連動させた学習プログラムと言える。つまり、個人の表現活動と協創を何度も往還する活動は、野外観察の思考と態度を再構成し続ける過程であり、その再構成された野外観察は、外的世界の認知に高度化をもたらしていると考えられる。しかし、観察が再構成される過程で発生する現象を具体的に解明できてない。再構成される過程で発生する現象を具体的解明することで、外的世界にある自分以外のヒト、ヒト以外のモノゴト、これらとの相互作用で変化せられる自分自身の思考と態度を知る手がかりが見つかると考えている。

  • 中動態とアクターネットワーク理論の視点から
    曽我 修治
    セッションID: 3A-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は地域の中動社会への変容を促す社会デザインについて論じている。まず中動態とアクターネットワーク理論の視座から,現代の受動社会から来るべき中動社会への変遷を”リニア・強制モデル”から”自由・円環モデル化”への変遷として描く。ついで,変容を促す仕掛けであるプラグイン実装の3つの切り口とアイデアを提案する。

  • 次の世代を考慮したまちづくりのための地域協働プラットフォームの実験
    照井 亮, 上平 崇仁, 新井田 統
    セッションID: 3A-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    地域の人々と専門家が協働するデザインの取り組みが広まりつつある。その際、日本においてはこれまで産業界で洗練されてきたデザインのアプローチが踏襲されることも多い。しかし、こうしたアプローチはしばしば企業や行政、またはデザイナーやコンサルなどが事前に線引きし、計画的に主導するゴールありきの構図となり、フレームを持ち込まれた地域住民の側は形式だけの参加となりがちな問題を孕む。本来に、地域は固有名詞ではなく、生きている。したがって地域に起こっている何かの問題を解決しても、その解は連鎖的に影響し合っているものであり、終わりはない。地域、特に一次産業との関わりの深い地域は、人間(human)だけで構成されているわけではなく、これまでデザインの視点では除外されがちであった、言葉を発しない人間以外の存在(non-human)、人間以上の存在(more-than-human)による複雑な絡まり合いとして捉えていく必要があると考える。

  • 「小田原みかん農園再生プロジェクト」から生まれた「みかん米粉どら焼き」のデザインプロセスを事例として
    二宮 咲子
    セッションID: 3A-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は、デザインにおける「人間中心」概念を環境倫理の視点から再考することである。具体的には、小田原みかん農園再生プロジェクトによる「みかん米粉どら焼き」を事例としてデザインプロセスのアクションリサーチを実施した。エコロジカルな地域支援商品「みかん米粉どら焼き」の誕生によって「みかん」とシニアとの間の従来からの「精神的かかかわり」と「社会的かかわり」に加えて「経済的かかわり」が生まれた。売り上げの一部がシニアによるみかん農園再生活動に還元され、シニアの居場所づくりと耕作放棄地の解消に繋がる。デザインにおける「人間中心」概念が捉えようとしてきたユーザーと製品やサービスとのより良い関係性を「人間」と「人間以外」の存在としての動植物、自然環境、生態系とのより良い関係性を捉えようとしてきた環境倫理の視点から再考し、両者を接続することによって「人間」と「人間以外」の存在を共に生かし合うような「中心なきデザイン」の地平に立つことができるのではないか。

  • 野々山 正章, 藤代 裕之
    セッションID: 3B-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は、移動における新規事業開発のアイデア創出のためのワークショップを設計した。現場により近い連続性をもった空間移動や人工物の配置の中でアイデア創出した。行為が状況的であり、情報行動の連続性を踏まえ、状況論的にワークショップを再デザインすることが、今回の取り組みである。移動における新規事業のアイデア創出をテーマにし、徒歩と電車移動を組み合わせた観光や散策をしながら、実際に散策する行動役と観察役に分かれてグループを構成し、「ワクワク移動体験」をテーマにしてアイデア創出をおこなった。この状況論的ワークショップの有効性を検討するために、会議室で行ったワークショップと比較し、どのように人工物や人間や情報がどのように構成されてアイデア創出にむすびついたかを、報告する。

  • オンデマンド・ラジオで図解を学ぶデザイン演習を事例として
    横溝 賢, 原田 泰, 宮田 義郎, 三河 侑矢, 佐藤 あみか, 樋口 涼佳子
    セッションID: 3B-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    「やって・みて・わかる(須永,2015)」行為は、デザインの本質的な解を見出す原理であると考えられている[1]。デザイン技法を教える授業者も、学習者の様子を見て個別に表現の意図を問い直すことから、自分の「こと」を内省する学びを促してきた。しかし授業のリモート化を境に学習者が映像・音声のミュート機能を使うようになり、授業者はこれまでのように「学習者がやってみている〈のを見て〉・わかろうとしている〈のを見て〉」授業を運営することが困難になった。筆者はこの「見えない」ことのもどかしさを感じ、これまでの授業運営が「見る」ことに依存していたことに気がついた。そして、図解を学ぶ授業のリモート化において「見る」ことから「語り聴かせる」ことにシフトしたオンデマンド・ラジオを試みることにした。その結果、ラジオ型授業(以下、ラジオ)の作品には、対面に比べ、内省的な問いから表現していく学びが多く見受けられた。本稿では、こうした「ことばを聴くことからはじめる」学びの態度が、制作物にどのように現れているのかを分析し、ラジオ型授業が学習者に与えた影響を考察する。

  • 組織で扱う変動性をもった知の表出化に関する実践と考察
    瀧 知惠美
    セッションID: 3B-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    筆者は、さまざまなプロジェクトチームでリフレクションを実践しているが、そこで組織へ開かれる知には粒度の違いがあると感じ、その実践知の違いを4つに分類した。本稿では、実践知、特に組織内で応用可能な構造の知を、組織内で循環させていく活動の実践について考察する。筆者自身が関わった企業向けワークショップについて、当事者だけでは応用可能な実践知を見出しきれなかったため、第三者にこのふり返り会の話を聞いてもらい、応用可能な知のモデル化を試みた。その結果、当事者による実践をふり返る語りを起点に、当事者と第三者による対話の中で実践の解釈が深まり、他の実践にも応用して解釈できる知のモデルが見えてくることがわかった。この経験から、次の仮説が生まれた。

    企業内での実践リフレクション対話の中で、1)実践の解釈を深めるキーワードの提示、2)実践に対する解釈の語り、3)実践の構造モデル化の3要素が相互作用し合うことで、実践の解釈が深まり、知のモデル化が進むのではないか。また、その機会が存在すると、次の実践における自分の行為を研ぐ方法が得られるのではないか。

  • 原田 泰, 元木 環, 三野宮 定里
    セッションID: 3B-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究プロジェクトでは、デザイナーが実社会のコミュニティで行うデザインプロセスに注目してきた。我々は特定のコミュニティに外部からデザイナーが入っていくことで何が起こるのかを10年間にわたって観察・記述・省察し、そこから地域デザインを推進するための知見を導き出そうと試みてきた。その結果、コミュニティへの入り方、コミュニティでの振る舞い、デザインプロジェクトの進め方、成果の共有方法などについて多くの実践知が蓄積された。中でも、デザイナーは、デザインを始めるまえに、まずはコミュニティメンバーとの関係づくりに意識を注ぐことが重要である。今後の可能性として、地域コミュニティが外部からデザイナーを受け入れるためのデザインのあり方の方向性を示すことができた。

  • 「足元のWHY」を起点とし、「人間中心ではないデザイン」「疎外するデザイン」の事例から、デザインの本質を考察する学習プロセスと成果についての研究
    中島 郁子
    セッションID: 3C-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    デザイナーは、デザインならではのテクノロジーによって課題を解決するべく、進化し続けてきた。にもかかわらず、なぜ、人間の身体構造や認知、情動を中心としない「だめ(悪い)デザイン」は世に溢れているのだろうか。

    本研究では、講義において「だめデザイン」を事例とし、学生たちが問題を発見する力を養い、分析しアーカイブ化する技術を獲得し、原因を考察し発表に至るまでの、プロセスと成果について述べる。

    近い未来プロとなった学生たちが、「ディスコミュニケーションの加害者」となってはならない。そのためには、デザイナーとしての理想と生活者としての現実、双方向からデザインについて考察する必要がある。足元の疑問を起点に普遍的なデザイン課題に向かう逆引き的思考手法は、学生たちに当事者感覚を引き起こし、活発な議論と包括的な考察に結び付いた。

    彼らの熱心なフィードバックによって、「だめデザイン」構造についての分析、「良いデザイン」をどのように伝えていくかなど、あらたな視野が広がった。研究の今後について報告する。

  • 小早川 真衣子, 岡村 綾華
    セッションID: 3C-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    未来ビジョンを描く活動や議論が、専門家コミュニティに閉じず社会に開かれ始めている。 こうした状況を背景に、本研究では、デザインや工学の専門家ではない一般の人たちと共に未来を描く活動のあり方とその活動を実践していく意味を探究している。その重要のポイントは、WSの参加者が自分たちの未来の生活や社会を「自分ごと」で捉え続けることである。そこで、本研究では、表現を核とするWSプログラムをデザインし、2つの場所で実践した。 本稿では、プログラムの詳細とWS成果を紹介する。また、用意した道具のひとつ「きっかけカード」がもつ、参加者の想像力とコラボレーションを助け、一人称の視点を保つ役割について議論する。加えて、 これらの表現活動が、WS参加者の「私も表現できる」という気づきを支える人と人の相互関係を築く上で重要な役割を果たしている可能性を展望する。

  • 第68回日本デザイン学会春季研究発表大会オーガナイズドセッション2での場づくりとその準備を事例として
    三河 侑矢, 横溝 賢, 元木 環, 福田 大年, 平尾 実唯
    セッションID: 3C-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    デザイナーは余所者として現場と関わり合いながら、自立的な営みをかたちづくろうとしている。しかし、そうした個別具体的な実践の現場で状況論的に展開するデザイン当事者の行動原理を、そこにいない他者が理解することは難しい。筆者は、他者の実践について語られる場に参加し、デザイン当事者の実践とは何か、ということに「わからない」という気持ちを抱き、実践という捉えにくい存在を、かたちあるものとして描き出すことで、理解を深めようとした。そのような、実践者たちとの共同を通じた学びを筆者以外の他者にとっても意味のある情報として伝えようと他者に伝える活動が、筆者にとっての実践となる。実践を通して、筆者が記録した実践者たちの語らいの場のノートを振り返ることで、他者の実践における問いを自分の問いにする活動があった。それを実践者たちとの共同の場で用いることで、他者の実践という捉えにくい存在をかたちあるものに描き出し、他者に伝える筆者の実践がかたちづくられていたと同時に、問いを問い直す、語らう道具のデザインができていた。

  • 樋口 涼佳子, 横溝 賢
    セッションID: 3C-04
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    現代のデザイン学生は社会と向き合う実践的なデザイン能力が求められ、グループワーク等を通じて社会の中で実践するためのデザイン手法を学んでいる。しかし、デザイン学生の筆者はこれまで、教室の中で設定された社会的なテーマを問い直すことなく、さらに現場に出向くこともなくデザインを進めてきた。そうした社会経験が不足する学習環境が背景ある中で、筆者は札幌市南区石山地区で発見した札幌軟石を題材に社会実践デザインを試みた。そのデザイン活動で様々な立場の人と活動を共にする共創に至る前の、独りでデザインの問題に向き合うものづくりの段階を〈独創〉と位置付け、現場で見つけた素材に向きあった。現場に立ち独りでものづくりをすることによって、社会と関わっていく可能性を発見した。

  • 〜札幌市電のある暮らしの息遣いを描き出すデザイン活動を事例として〜
    山形 春陽, 三上 晴可, 川去 鳳聖, 田中 健太郎, 横溝 賢
    セッションID: 3C-05
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    筆者らは、札幌のまちを常に観光的な方法で利用しており、札幌のまちをよく知っているつもりでいた。しかし、まちの人びとや物事のリアルな関連性を考えるようなデザイン実践はできていなかった。そこで、札幌市電に乗ってあてもなく動き回ることで、あるがままの札幌のまちを捉え直そうとした。その後、捉え直した札幌市電周辺の世界を3度にわたって他者と共有した。本稿では、この一連の活動の中で起こったことを概説するとともに、筆者らが見たものを他者と共有する方法の変化の様子と、その効果について考える。

  • 見える化
    岡村 綾華, 小早川 真衣子, 須永 剛司, 清水 泰博
    セッションID: 3D-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    普段我々は,言葉や何らかの方法によって他者とコミュニケーションをとりながら暮らしている.しかしその多くは残らずに都度消えていってしまう.このような世界で我々は生きている.ここで,このような社会において改めてデザインができることとは何か,デザイナーの役割とは何なのか,“居心地の良い場のデザイン”という観点からこの問いについて複数の実践活動を通し研究を行ってきた.本研究活動の一つに,介護現場におけるAI(介護の構造化知識)の道具化を目指した活動と道具のデザイン「Care Dignity:介護の専門性と誇りの醸成」をコンセプトとしたプロジェクトがある[小早川2021].この経験を振り返り,デザイナーができることとは何か,プロジェクトの中で行なった事例の一部を上げながら見出したことをここに報告する.

  • 安井 重哉
    セッションID: 3D-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/30
    会議録・要旨集 フリー

    公立はこだて未来大学は、地域貢献に資する研究の柱として「マリンIT」を研究の重点領域に指定している。マリンIT とは、IT の導入による持続可能な沿岸漁業に関する取り組みの、本学における呼称である。筆者は、情報デザインの専門家として、マリンITの各種システム開発に携わってきた。そこには著者の考える「良き仕事としてのデザイン」への示唆の含まれる事例がいくつかあった。本稿では、そのひとつとして、沖縄県石垣島のマグロはえ縄漁を営む漁業者たちをパートナーとして開発したシステムのデザイン事例を挙げる。石垣島は、品質の高いマグロを市場に届けることができる利点があるが、従来は漁船ごとの位置や漁獲の情報が共有されていないことから、複数の漁船が同時に入港し、水揚げが重なることによる魚価の下落や、作業の滞りが生じることによる品質の低下を招くことがあった。著者らは、この問題の改善のためにiPadやAndroid TV用のアプリケーション群で構成される試験運用向けシステムを開発し、パートナーへのインタビューを経て改良を施した。そのデザインプロセスを振り返り、そこで得た「良き仕事としてのデザイン」への示唆について述べる。

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