視覚障害者が調理時に困難な状況に置かれている点に着目し,調理における視覚障害者を支援することを目的として,その際の要求や問題点を収集することを試みた。まず4名の視覚障害者を対象として調理行為の観察調査を行い,問題点や視覚障害者からの要求を収集した。得られた問題点や要求を分類した結果,視覚障害者の困難は[位置の確認・量の調整・調理状態の把握]の三つに大別できることが判明した。そこで,これらの分類と各調理行為での問題点とその解決方法,具体的なアイディアを対応づけながらデータの整理を行った。最後に,得られた知見に基づいて要求のデータベースを構築した。このデータベースはユーザ行動の視点から要求や問題点を検索できる点と実際の調理の様子の動画が確認できる点に特徴がある。