車いすを利用することなどによって、受傷前と比べ立位姿勢をとる機会や、運動する機会は減少する。従来の起立台を用いた立位訓練は複数人の補助によって起立し、立位を保持して時間の経過を待つ。立位時には下肢に多量の血液が貯留するため、下肢を動かすことは循環調節に効果的であるが、下肢に不自由がある場合それが困難である。 そこで新たに、起立を補助し立位を保持した状態でさらに、上肢の前後運動によって足関節の背屈、底屈運動を含めた下肢の他動運動を行う装置を製作し評価実験した。その結果、製作物の運動機能が有効に働くこと、筋ポンプの作用が誘発されることを示唆するデータを得た。