抄録
築島棟吉による『家具製作圖解』(1930年)、『和洋家具構造圖解』(1931年)、『古典家具寫生図集一輯』(1967年)の家具図からは、洋家具の意匠と構造に対する強い意欲が滲み出ている。これらの家具図の精査を通して、築島棟吉が、洋家具の意匠面においては西洋古典様式(実際にはルネッサンス・バロック・ロコロ・新古典様式)に強い興味を抱いていたこと、またその構造面においては洋家具の組立構造に強い関心を持っていたことが明らかになった。その背景として、築島棟吉の活動が、教育研究活動に留まらず、戦前・戦後を通して、また日本・米国(留学時)においても、家具設計実務に従事したという幅広いものであったことが挙げられる。