駅前の街路空間は広告看板や路上駐車が多く、運転手は道路の標識を見落とすことがある。東京都福生市の福生駅前道路でも「進入禁止」の道路標識に気づかずに左折してしまい、一方通行の道路に進入してしまう場所がある。道路標識を補完するために交通安全看板が設置されており、「この先右折禁止」の文字とピクトグラムで表現されている。この看板の設置場所やサイズ、デザインは各自治体の裁量に任されており、カーブ手前に1個所設置される場合がほとんどである。そこで、本研究では、シークエンスに配慮した複数の交通安全看板の設置位置およびデザインを提案した。福生駅前の片側1車線道路の左折禁止看板を対象として、CGにより道路空間を再現して、ドライブシミュレータによる運転タスクを与えた状況で、標識の気づきやすさの評価実験を行った。実験1では看板数と内容の変化に着目した3案による印象評価実験、実験2では設置間隔に着目した3案による印象評価実験、実験3ではデザインの変化に着目した印象評価とアイマークカメラによる注視時間実験を行った。その結果、運転手が気づきやすいのは、同じ内容の看板を一度に見えるように位置し、色彩の変化のあるデザインであることが分かった。