本研究は,未来の暮らしをデザインするプロジェクトにおいて,共創型の参加型デザイン手法を取り入れ,デザインのプロセスを多面的に記述し,共創型参加型デザインの有効性や課題について考察した.Elizabeth B.-N. Sanders は,Co-Designing のプロセスの中で「say」「do」「make」の 3 つの考え方でデザインを行うことの有用性を唱えた.私の提案する手法はこの考え方を基にし,デザイナとデザインの対象となる当事者による「事実の共有」と「コトの共創」を特色とする.デザインプロジェクトは,市内で暮らす生活者をデザインパートナーとした.共創型のデザイン活動を通して,デザイナとデザインパートナーの共創の過程でどのような相互作用が生まれたか,どのような発見や創造が起きたかを分析した.そして,参加型デザイン手法の意義や効果,方法について考察した.