抄録
本研究では,動物園を対象として観覧ルートに沿った主観評価のマップ化を試みた.主観評価には,3種類の評価指標(高揚感,達成感,難易度)を基に来園者の主観的な印象の変化を定量的に示す評価手法「気持ち温度計」を用いた.評価は2回実施し,それぞれ園内の25箇所の展示場所を評価ポイントとした.1回目の評価では18名,2回目の評価では14名が評価に参加した.2回目の評価において14名のうち5名が評価対象の動物園に初めて訪れた評価者であった.評価の結果,評価対象の動物園に初めて訪れた評価者と2回目に訪れた評価者とで傾向に違いが認められた.主観的評価マップを示すことにより,園内の位置と各ポイントでの評価結果との関係と,各ポイントにおける3つの指標の変化のバランスを直感的に対応づけ把握することができた.