感覚能力が低下している人のためのデザインの試みは数多くなされているが、過剰な感覚をもつ人(知覚過敏の人)のためのデザインの例はほとんど行われていないのが現状である。このため本研究では感覚過敏の実態について調査するとともに、感覚過敏者のためのデザイン開発を試みた。具体的な提案内容は以下の3点であった:(1)食品パッケージ上での味覚の可視化、(2)知覚過敏を有する消費者のための買い物支援システム、(3)知覚過敏について学べるオンラインゲーム。今後も引き続き、調査・実験を通じて感覚過敏の実態やメカニズムの解明を進めるとともに、多様な感覚を持つ人が互いに理解しあい、今まで以上に能力を発揮できる社会を実現するためのデザインを提案したい。