日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第69回研究発表大会
セッションID: PC-17
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形状における新奇性と複雑さの定式化と逆問題への応用
新奇性と複雑さを制御可能な形状生成システムの開発
*本多 詩聞柳澤 秀吉加藤 健郎
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抄録

デザイン形状の美しさは,製品の魅力を高めるために不可欠な要素の一つである.また美しさについては,「無意識的」で直観的かつシンプルな美しさと,「意識的」で知覚に時間を要する複雑な美しさがあり,条件によってどちらが主体で評価されるかが異なるとするモデルがある.本研究では,適度な新奇性や複雑さが快の感情を最大化するという心理学の理論に基づき,形状知覚における新奇性と複雑さを定式化した.これを用いて,任意の新奇性と複雑さをとる多様な形状を生成する計算機システムを開発した.さらに開発システムが生成する形状サンプルの美しさや面白さ,新奇性と複雑さについて,これらの関係を被験者実験により検証した.実験結果から,サンプルの評価に費やせる時間を操作することで,無意識的な評価と意識的な評価を個別に取得できること,そして開発システムは形状の新奇性と複雑さを制御し,意識的な美を制御できることが示された.本研究の成果には,提案システムを利用した設計支援が期待される.

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© 2022 日本デザイン学会
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