日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第70回研究発表大会
セッションID: 5A-04
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スキー板のワクシングを自動で行うロボットの開発
*島内 涼雅橋田 規子熊谷 正朗
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キーワード: robot, ski, wax
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抄録

ウィンタースポーツの一種であるスキーには、板の滑走面にワックスを浸透させ撥水性を高める「ホットワクシング」と呼ばれる手入れが必要である。撥水性が高いほど雪面との摩擦が減り、そのスキー板は進む速度が上がるが、その多くは手作業で行われている。そのため本研究では、余分なワックスを剥がす工程であるスクレイピングとブラッシングを自動化することを目的とし、それを行うロボットの設計と製作を行った。操作する道具の力や軌道には満たすべき要件がいくつかあり、直列弾性アクチュエータと平行リンクを組み合わせることで、手作業に必要な力と動きを再現している。また、手作業では作業性を考慮してスキーは一般に水平に置かれる。しかし、本装置では縦向きにすることで、ワックスの削り屑を底面にまとまって落とすことが構造上の利点の一つであり、本体の底面側に設置したごみ袋は容易に取り換えが可能である。

結果として、動作実験では手作業と同等の削りカスを出すなど、手作業に必要な力を再現することに成功した。しかし、本体のデザインには排熱などの問題が見られ、機能追加のためにも改善の余地がある。

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