日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第70回研究発表大会
セッションID: PA-31
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地域がひとつの家だとしたら
長野県松本市波田における地域スキーマの可視化方法の研究
*原田 旺輔北 雄介
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抄録

本研究は「地域らしさ」というものを住民の暮らしの積み重ねの中に見出し、それを明らかにする方法論の構築を主題とし、その発展による地域形成の在り方について考察している。地域での様々な暮らしや経験を通して培われた、地域に対する認知構造を「地域スキーマ」と定義し、家という類推を用いてその実態を明らかにしようとするものだ。地域住民を対象に「波田を家として捉えてみる」というテーマでアンケートを実施し、その分析を通した記述として分析シートを作成した。家という構造に置き換えることによって個々の回答者の地域の姿が図として浮かび上がった。それと同時に、回答者間の差異も明らかとなった。また、その発展として、「ひとつの家」の設計による可視化も行った。家として可視化することで、認知における地域の全体像が関係性も踏まえて共有可能になると同時に、地域の使い方を想起させるモデルとなったと考える。地域らしさという漠然とした不明瞭な要素に対して、大きく2つの可視化を通じて、その実態を明らかにしている。今後は、成果の地域形成における利用について、波田をフィールドとし、実践的な活動を通して、効果検証を行っていく予定である。

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