デザイン学研究
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製品デザインにおける基礎的形体の形成 : 抽象的機能の抽出を中心に
阿妻 知幸
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1966 年 1966 巻 3 号 p. 1-19

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抄録
本考察は,製品デザイン(プロダクト・デザイン)の基盤としての抽象的機能を探し求めることを,おもなねらいとするものである。このような考察は,形体学の底辺を形成し,製品デザイン教育の進展および製品デザインの開発に有効であろうと考える。広範な領域にまたがる各種製品は,その構造・機構の上から,つぎの3者に大きく区分することができるが,このことは,私にとって,大変興味の深いものである。(1) Function+Form (2) Function+Mechanism+Form (Static Mechcnical Function) (3) Function+Mechanism+Form+Electricity (Mobil Mechanical Function) ここでは,これらのFunctionのうち,基本的なものを抽象的に取り出し,分類することを試みた。その結果,つぎの諸項のように区分し,整理することができた。A作業的機能 1)手の機能に関するもの 2)足の機能に関するもの 3)全身の機能に関するもの 4)口・目・耳の機能に関するもの 5)その他 B構成的機能 1)「立つ」機能に関するもの 2)「構造を強化する」機能に関するもの 3)「接合する」機能に関するもの 4)「積み重ねる」機能に関するもの 5)「空間を区切る」機能に関するもの C機構的機能 1)「移動する」機能に関するもの 2)「機械運動を伝達する」機能に関するもの 本考察に引き続いて,精選された抽象的機能にもとづく形体の形成に関する追求が試みられなければならない。
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© 1966 日本デザイン学会
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