デザイン学研究
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自動車デザインの価値構造 : デザイン価値組立ての考え方を見直す提言
関 徹夫
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1994 年 40 巻 5 号 p. 27-32

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抄録

近年,自動車ユーザーの自動車観の中で,使用性(扱いやすさ)向上への期待が高まる傾向がある。一方,自動車は他商品に比較して依然こだわり性の高い商品であり,ユーザーの外観スタイルを主体とする情報性への期待を軽視することはできない。自動車デザインが情報性と使用性が背反関係にある現在のデザイン価値の構造をふまえている限り,ユーザーの情報性,使用性の両方への期待に同時に応えることは困難であり,両者が並立する新しいデザインの価値構造の考え方をふまえたデザインが必要である。そのためには,従来のデザイン方法論を改めると同時に,デザイナーの能力要件の見直しも必要である。

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© 1994 日本デザイン学会
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