デザイン学研究
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車体形状のカテゴリー分類と形状認識の関係 : デザインにおける形態認知に関する基礎的研究(2)
古屋 繁武者 祐司
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1994 年 40 巻 5 号 p. 39-46

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抄録

本論文では乗用車のカテゴリー分類と形状認識との関係について考察した。乗用車に関するカテゴリー分類として,被験者のアンケートにより抽出されたサンプルから「一般的カテゴリーによる分類」「典型的車種からの分類」「親近性による分類」「個人的カテゴリーによる分類」の4つのカテゴリー分類を想定した。各々のカテゴリーの「基準像」から「特徴像」を求め,各カテゴリーと全体の「基準像」から作成された「誇張像」の各々について確信度が最大となる誇張率を求めた(調査(1))。さらに,それぞれの確信度最大となった「誇張像」の中から,確信度が最も高いものを選択してもらった(調査(2))。この結果,2BOXと3BOXというボディスタイルによるカテゴリー分類が存在することが,またこのカテゴリーの「基準像」には,その離反量により適応範囲があり,2つのカテゴリーに帰属しない車種は,オリジナルによるあてはめによってなされていることが明らかになった。

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© 1994 日本デザイン学会
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