デザイン学研究
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ヨーゼフ・アルバースの教育と芸術における色彩について
天貝 義教
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1996 年 43 巻 3 号 p. 31-40

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抄録

アルバースの用語法によれば、色彩は芸術において最も相対的な媒体となる。アルバースの色彩教育に対するアプローチと絵画制作の中心にはこうした概念があり、アルバースの教育と芸術との最も直接的な結び付きは、色彩の分野において認めることができる。アルバースの色彩教育は、1933年の合衆国への移住後、まずブラック・マウンテン・カレッジで始まり、後にイェール大学において行われた。また、アルバースはこの色彩教育に加えて、多数の抽象絵画の制作を試みており、1950年には『正方形讃歌』の連作が着手されることとなった。この連作はアルバースが1976年にその生涯を閉じるまで描き続けられたのである。本稿の目的は、アルバースの色彩教育の発展過程を跡づけるとともに、その色彩教育の内容とアルバースの代表作に位置づけられる『正方形讃歌』の連作との相互関係を検討することによって、アルバースの教育と芸術における色彩の意味を考察することにある。

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© 1996 日本デザイン学会
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