盲導犬の訓練犬であるラブラドール8頭 (雄2、雌6) を訓練開始直後から、定期的に住宅地に設定した歩行コースで、ハンドラーがアイマスクをして歩行する誘導訓練の行動観察を行った。観察は2週ごと、最大22週間行った。歩行コースは、普段訓練を行っていない住宅地を選び、ハンドラーは担当訓練士でないものが担当した。観察項目は、普段の盲導犬歩行で必要なタスクの課題達成と訓練や歩行に対するストレスや不安度を測定するようにデザインした。最終的に盲導犬に選出された犬とその他の犬の間では、歩行中の尾の位置、ハンドラーの指示回数や犬のストレス反応の出現回数および歩行中のよそ見時間で早期から明らかな相違がみられた。また、角に対する反応 (曲がり角や道路の切れ目で止まること) およびコース歩行にかかる時間などでは明らかな相違は見られなかった。これら訓練の進捗状況の相違は将来的に盲導犬の早期適性判断に有効であることが示唆された。