日本補助犬科学研究
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原著論文
社会福祉系大学生の身体障害者補助犬に関する意識調査
倉澤 悠雄 三浦 靖史
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2017 年 11 巻 1 号 p. 30-35

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抄録

目的:私たちは医療系大学生の身体障害者補助犬(以下、補助犬)の認知度について報告しているが、社会福祉系学生に関してはこれまで調査されていない。そこで、福祉専門職の補助犬に対する理解向上を目的として、社会福祉系学生の補助犬に対する意識調査を実施した。 方法:2016年4月下旬に社会福祉系学部の大学生を対象に無記名式のアンケート調査を行った。 結果:回答者数は288名(男113名、女175名)であった。補助犬の認知度は、盲導犬が96.2%、介助 犬72.2%、聴導犬が34.7%であった。社会福祉系学生の補助犬法の認知度は2014年の医療系学生よりも有意に低く29.9%であった。補助犬同伴を44.1%は気にならないと回答した一方で、補助犬が気になる場所は飲食店が最も多く(28.1%)、理由として衛生面が最も多かった(25.7%)。補助犬の啓発に効果的な方法として、学校での教育が最多(75.0%)で、次いでメディアによる報道(55.2%)であり、医療系学生と同様であった。 考察:社会福祉系学生は、補助犬に関して学ぶ機会が乏しいことから、医療系学生より補助犬法の認知度が低いと考えられた。医療系学生においては、過去5年間で認知度の向上が認められていることから、社会福祉系学生に対する教育の取り組みが重要であると考えられた。 結論:社会福祉系学生に対して補助犬に関する教育を実施する必要がある。

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