1987 年 1 巻 6 号 p. 21-26
敗戦後の学制改革以来、英語学習は広く国民大衆の身近なものになり、その必要性、学習の効率化の論議が活発となってきた。これまで多くの外国語教授法が生まれ、紹介され、そして忘れられていったものも少なくない。そしてその間に、これらを補助する視聴覚教育機器もいろいろと開発され、発展しあるいは衰退して行った。今日、言語の素性特性のある一面のみを強調したり、言語習得を単なる習慣形式そのものと見なすことから構成された視聴覚教育システムは、その基礎理論、運用理論の両面から検討を加える必要があると思われる。本論文は、当該システムが、実際の教室場面でどのような運用理論に基づくべきか、実験プログラムの制作と、実際的な運用を継続して、それらに関する経験的、予備的な研究を行ってきた、継続研究のレポートである。