日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
最新号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
表紙・目次
発表
  • 前田 光哉, 寺田 光宏
    2021 年 35 巻 8 号 p. 1-6
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    In the elementary school science class, "How things warm up", there is a possibility to break the stereotype of learners and lead them to a more essential understanding of how water heats up by observing the phenomenon in various ways. For this reason, in this study, we developed a teaching tool that combines the features of the existing tools into one, and allows the learner to choose from three different positions for the heating/cooling, thermo-ink, and thermographic observations, as well as for the heating/cooling part. The teaching tool has a total of 12 observation patterns. By looking at the thermographic images in detail, we were able to observe the movement of water circulating in layers of different densities.

  • ―高校化学「酸・塩基と中和」の単元を事例に―
    川上 花音, 小林 俊行
    2021 年 35 巻 8 号 p. 7-12
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    今回の学習指導要領では,理科の見方・考え方をはたらかせ,自然事象や課題に向き合い,探究する学習活動の充実を図ることが謳われている.しかし,高等学校用の教科書は,単に事象を説明しているだけで,その上授業自体も大学入学者選抜に向けた対策が学習の動機付けとなり,知識伝達型になりがちである.そこで,化学基礎「酸・塩基と中和」の単元において,日常の現象を使って探究のプロセスを踏まえた授業をデザインし,実践を通して支援の具体を考案した.

  • 花木 良, 松波 雅慶
    2021 年 35 巻 8 号 p. 13-18
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    全国各地で開催されている科学館や科学イベントでは,小さい子どもからその保護者が訪れ,出展されたブースで科学体験をしている.数学に関するブースは多くなく,拡充が求められている.また,近年はSTEAM教育など教科横断的な学びが盛んになっている.本論文の目的は,科学イベントにおける数学と他教科が関連するような参加型展示を考案することである.対象は幼児から大人を想定しており,数学と関連付けた敷きつめを取り上げた.敷きつめに関しては,数学としても研究されており,話題が豊富である.学校教育では算数・数学では多く取り上げられており,図画工作・美術や理科にも関連した内容がある.それらの背景をもとに,スタンプで敷きつめ模様を鑑賞したり考察したり作ったりして楽しむブースを提案する.

  • 山本 雄大
    2021 年 35 巻 8 号 p. 19-22
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    現代社会では個人情報の扱い方の変化とともに,AI,第5世代移動通信システム(5G),IoTが整備され発展している.一方統計教育として統計的リテラシーの重要性が認識される中で「使う統計」の授業として当せん金額から人の投票行動を予想する「NUMBERS3」での教材を開発した.さらに生徒の活動の補助となるソフトの開発を行った.ソフトの開発ではソフトの扱い方でこちらから意図した方向に生徒を向けてしまう事態を避け生徒に自由な入力方法を用意する必要があり,多くの機器で単一のソフトが動作する上,インストール作業は不要なHTML5+JavaScriptでソフト「なんば君」を開発した.数字の入力と合わせて,“*” ,“~”を用いることで生徒が思いつく仮説をほとんど検証でき,こちらから生徒を誘導することなく簡単な動作で統計グラフを作成することで仮説から得られる集合を視覚化し検証できるソフトになっている.

  • 渡辺 信, 青木 孝子
    2021 年 35 巻 8 号 p. 23-26
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    高大接続は大学入学試験を変えることによって、高校・入試・大学を変える試みは良い結果は出なかった。学問を学ぶ姿勢を変える試みとして、Active Learningを取り入れ、高校では『主体的・対話的・深い学び』とし、大学では初年度教育に力を入れた。センター試験から共通テストへの改革は効果を発揮できない。このような学問を学ぶ姿勢ではなく、学問の内容で高大接続を考える動きが出てきた。専門教育に数学が必要と考えて入試に数学を必須にした私立大学の動きに注目し、もう一つの高大接続の必要性を考えたい。英語はすべての大学での入学試験科目になっているが、この英語教育には高大接続が壊れ始めている。大学の専門を学ぶ上で高大接続が重要であることを問う。学問を学ぶ態度・姿勢ではなく、学問の内容・カリキュラムから新しい方向を持った高大接続の必要性を指摘する。学問の学びの場としての高校と大学の接続の問題は、学問を主軸として捉えるべきであり、入試改革ではない。

  • ―巻線機のアタッチメントの工夫と手回し発電機の制作―
    大隅 紀和, 梅本 仁夫
    2021 年 35 巻 8 号 p. 27-30
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    筆者らが取り組んだ手作りの「巻線機」プロジェクトは、当初の目標だったダイナミックな手振り発電機を制作して一定の成果に到達した。その過程で、電磁石コイルを制作するため巻線機のシャフト部に必要なアタッチメントを工夫する必要に迫られた。そしてシャフトの両側に手巻きしたコイルを取り付けることによって「巻線機」は「手回し発電機」にすることができた。

    「身近な材料を加工して、自分の手で発電機を作る」こと。これは長く筆者が課題の一つとしてきた。もちろん市販の手回し発電機がある。しかし、それらは模型用の小型モータなどを使っていて、その内部構造は見えない。さまざまな実験場面に活用できるが「発電機の構造」はわからないままである。

    筆者らの手作りのハンズオン活動のチャレンジは、内部の構造そのものを手作りできないか、という点にある。本稿では、一連の経過報告をするとともに、この制作活動の機材デザインと実験の過程には基礎的な科学、技術、工学、数学のSTEM教育の要素が含まれることを検討したい。

  • 吉川 直志
    2021 年 35 巻 8 号 p. 31-34
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    空気ロケットをダンボールの空気砲で打ち上げる空気ロケット発射イベントを、小学生を対象に、また大学の授業の中で大学生に対して行っている。宇宙まで行く実際のロケットが打ち上がる強力なエンジンの原理は、単純にはたたいた爆発で空気を勢いよく押しだす空気砲と同じであることを実感し、空気の力を実感できるイベントとなっている。みんなで工夫しながら打ち上げるイベントを通して理科を学ぶ方法について報告する。

  • ―高等学校における観点別評価の導入に向けて―
    石田 智敬, 藤江 和也, 宮川 貴彦
    2021 年 35 巻 8 号 p. 35-40
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    2022年度より高等学校においても観点別評価が全面実施される. このような背景のもと, 本実践研究では, 愛知県立岡崎北高等学校と共同して,300名を超える生徒を対象に, パフォーマンス課題を取り入れた「物理基礎」授業を開発・実践し,観点「思考・判断・表現」の評価方法のあり方について模索した.本稿では, その取り組みの成果と課題を整理して報告するとともに,今後の展望や論点を提示する.

  • ―アメリカ化学会のミドルスクール・レッスンプランの分析―
    郡司 賀透
    2021 年 35 巻 8 号 p. 41-44
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    現在の科学教育において,「エンジニアリングデザイン」が重視されるようになって久しい.しかし,日本の科学教育の状況において,「エンジニアリングデザイン」の意味が共通に理解されているとはまだ言い難い.そこで,本研究では,アメリカ化学会によって提案された「エンジニアリングデザイン」の単元を含むレッスンプランの分析を行った.その結果,以下の3点が明らかとなった.

    ①化学現象の説明様式として,ジョンストン・トライアングルが奨励されていたこと.

    ②5Eモデルに基づく探究の過程が単元全体を通して遂行されていたこと.

    ③「エンジニアリングプロセス」を含む学習単元が,ストーリー志向であったこと.

  • 中村 琢
    2021 年 35 巻 8 号 p. 45-48
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年教育活動において,学習者の主体的な活動や,課題解決などの探究活動の機会が増えている.日本の初等中等教育においても,小グループでの学習者による探究活動や,探究的な要素を取り入れた授業の開発や実践研究が報告され普及している.一方,そのような学習者主体の授業評価においては,異なる授業方法を比較したり,学習者への教育効果を比較したりする,学習者についての評価法が用いられていることが多く,授業そのものの特徴を明らかにする方法は少ない.本研究では,学習者主体の活動を見込んだ授業の特徴を可視化する評価ツールの開発と,それを用いた異なる授業の評価を試みた.評価ツールの開発にあたって,米国で開発されたRTOPをベースにし,ルーブリックによる評価基準を付加して,評価者によるばらつきを軽減させた.大学初年次生対象の物理学の2つの講義と,複数の小学校理科授業を評価し,開発した評価ツールが授業の特徴の可視化が可能であり,学校種の異なる理数系の授業で使用できることを実証した.

  • ―ドイツの「事実教授」を手がかりにして―
    遠藤 優介
    2021 年 35 巻 8 号 p. 49-54
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では,幼小接続という視点から生活科で育む資質・能力を検討するための基礎知見を得るべく,ドイツの幼児教育及び初等教育段階の統合教科「事実教授」(特に科学領域)で育成が目指されるコンピテンシーの分析を通して,以下の特徴を明らかにした.(1)幼児教育及び事実教授いずれにおいても,自然を科学的に探究していく基盤となるような知的な操作に関するコンピテンシーが主流を占め,それにより連続的・発展的なコンピテンシー育成が図られている.(2)その一方で,日本の生活科で重視されてきた思いや願いなどを含め,情意的な側面に関するコンピテンシーはかなり少なく,その点での幼小のつながりは見えにくい.(3)幼児教育段階と初等教育段階双方でほぼ共通したコンピテンシーカテゴリーが設けられ,幼小一貫した連続的なコンピテンシーの育成が図られている.

  • ―抗生物質による植物の発芽・生長抑制―
    和田 重雄, 名取 慶
    2021 年 35 巻 8 号 p. 55-60
    発行日: 2021/06/26
    公開日: 2021/06/23
    研究報告書・技術報告書 フリー

    植物の発芽・生長に基づいた抗菌薬の環境影響を観察する実験教材を利用して,探究活動を伴う教育実践を高等学校1年理数探究の授業として実施した.クラス全体の目的として「抗菌薬の植物への影響を検討すること」と提示し,目的を達成するため,班ごとに実験計画(探究目標)を立案させ,実験を実施し,その結果を発表し,各班の実験結果を統合して,クラス全体で目的に向かって討論・考察するものであった.植物材料としてハツカダイコンの種子と緑藻のムレミカヅキモの2種を,抗菌薬として14種類の抗生物質を準備しておき,各班の計画に合わせて選択し,7日間栽培(培養)を行った.各班の実験結果を基にクラスの目的の討論を行った.教員としては,この実験から生態系や地球環境への影響と視野を広げた討論まで期待していたが,生長抑制と抗菌薬の作用機序との関係に話がとどまった.生徒からは発展的な発言が出なさそうだったので,教員が誘導的に視野を広げる話題へ導いた.生徒自らが視野を広げた討論を行える様にする企てが必要であると考えられた.

feedback
Top