日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
一般研究発表
理科学習への興味・関心と農作業体験との関係
安居院 みどり平田 昭雄北野 日出男
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

1996 年 10 巻 4 号 p. 13-16

詳細
抄録
本稿で筆者らは,農作業体験が個々の生徒の人間形成,とりわけ自然に対する認識の形成に及ぼす今日的影響について検討した。具体的には,都内公立中学校に在籍する中学生と,小学校から高等学校までの期間において何らかの農作業を体験したことのある大学生を対象としてアンケート調査を実施した。この結果,1) 小学生,中学生,高校生の各成長の段階において何らかの農作業を体験したことのある大学生にあっては,その約半数の者が,そうした体験が自然とりわけ植物に関する興味・関心や有益な知識・理解を自分にもたらしたという意識をもっている。一方,2) 中学生にあっては,理科の学習内容に興味をもつ生徒が必ずしも農作業体験が豊富であるとは限らない。しかし,3) 多様な農作業を体験している中学生ほど,理科の「植物のつくりや各器官のはたらき」「生物の殖え方」「自然と人間の関わり」といった学習内容には興味を持つ傾向がある,等の実態が明らかにされた。
著者関連情報
© 1996 一般社団法人 日本科学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top