抄録
メタ認知とは、通常の認知活動をもう一段高いレベルからとらえた認知を指し、知識成分(メタ認知的知識)と活動成分(メタ認知的活動)に大きく分かれる。メタ認知に必要な思考の態度・方法としては, (1)頭の良しあしよりも考え方の上手下手に着目する(2)よりよい解決法を目指す(3)合理的な考え方を重視する(4)ものの見方・考え方に目を向ける(5)事象を多面的にとらえる(6)仮説を積極的に作るなどが考えられる。また, メタ認知能力を伸ばすには、(1)思考の方法を学ぶ場としての学校(2)仲間との共同思考の場としての授業(3)メタ認知のガイド役としての教師といった要素が重要である。