日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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主題研究発表
現代の自然像からみた総合的な学習の時間
飯尾 真世高野 庸間瀬口 浩子
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2001 年 15 巻 5 号 p. 17-20

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抄録
量子力学の発見が契機となって確立された現代の自然像に沿って, 近代科学の各学問体系に由来する各教科内容を再編し, 知識の総合化を図る必要性を説く。このような視点から, 総合化の筋道と知識の全体像を明確にするためには, 自然の体系に基づいて現行の教材の再編成を教科のわくを超えて行うことが必要となる。自然界のもっとも基本的な法則を確認し, それらから自然の各階層がどのように成立っているかを明らかにし, 個々の教科で扱われてきた従来の教材をすり合わせて, 統一的な自然像・世界像として理解できるものにする。併せて, 学習方法改善の観点から, 学習者の参加型の授業形態を大幅に取り入れることが必要となる。実施に当たっては総合的な学習の時間を活用することが考えられるが, 時間数削減による各教科からの重要事項の抜け落ち, 児童生徒の実体験の不足など現代の学校を取り巻く状況に対応しながら, 本質的な改革に向かうことが望まれる。
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© 2001 一般社団法人 日本科学教育学会
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