抄録
高等学校数学科の統計指導は今日の情報社会において国民的要素として要求される情報活用能力の育成に貢献している。統計指導のねらいである統計的なものの見方考え方や統計的方法といわれるものの育成は、その考え方からして情報活用能力の育成に直接関わりがあり益々重要性を増している。そこで筆者はある対象における現象を統計的にとらえる場合の基本的認識として具体性、操作性、変動性、規則性をあげられるが、上の立場を考え筆者は限られた結果の有効性(妥当性、信頼性)が一層重要になっていることを指摘したい。そしてこのような統計的なものの見方考え方についての能力を養うには、生徒が身近な実際の問題の解決する経験を通しての理解が必要である。又統計的概念の理解を助けたり深めたりする効果的な指導のための道具としてパソコンが考えられる。その際生徒が適切な利用を通して、パソコンになじみコンピュータリテラシーの育成にも貢献出来よう。このような立場で身近な実際の統計的な問題の解決を通した指導教材、パソコンを利用した統計の指導教材の開発を目ざすものである。