抄録
現代社会において,子どもたちが状況に応じて多様な生き方を選択できるような「生き抜く力をつけるためのハウツウ」を伝えることを目的に,オンライン学習コミュニティ「e-教室」は構築された.「e-教室」の一科目「さんすうの作文」では,余計な価値判断の入りにくい算数を教材にして,学習者が電子掲示板に解答を「論理的に自分の言いたいことを表現する」「相手にわかってもらえるように工夫をする」ことを通じて,論理的思考力の向上を目標としている.本研究では,「さんすうの作文」に蓄積された学習者の投稿データの特性を分析することにより,「さんすうの作文」に積極的に参加した学習者全体の論理的思考力の形成過程の傾向を明確にし.さらに特徴的な学習者数名の論理的思考力の形成過程の特性を明らかにする.