理数科離れが続いていて回復の兆しが見えない。原因が多々あり,どのように対応していけば改善されるのか明確な方向性を見いだしえない現在,改善は容易ではない。教育現場で取りうる手段,工夫は限られるが,基礎的な科学的知識及び科学的な思考法を身に付けていることの大事さは訴え続けていくべきだろう。ここでは,学びつつある者に対して,身近な現象を調べ,演示することにより,彼らの興味を刺激し,自ら学び続ける姿勢の大切さを感得できるよう試みてみた。題材は光と空気に関連して選び,光については物体の影の中心に輝点が生ずることを,空気については人間の呼気でも断熱膨張現象が起きることを示すことによって,すぐ身の回りにも不思議と考えられる現象があることを示すことで,興味・関心にうったえるよう調べ,演示実験の例として示した。