抄録
子どもの不確実性認識・統計認識について,基礎的な統計知識・技能は達成されているが,内容を伴った意味の理解,データの裏に潜む背景,本質,情報を読み取る力,新しい知を創造する力の形成は不十分である。伝統的な知識の習得,内容理解を基盤とする「資料の整理」から「資料の活用」にとどまらず,「統計データの5段階読み」「5段階統計的探究プロセスモデル」を基盤にした「新しい知の創造社会」に向かう統計教育の必要性を長く提唱してきた。これを実現するため,学校施設で展開されるオン・キャンパス教育のみならず,学びの社会に解放し,“誰もが,いつでも,どこからでも,学習できる”オフ・キャンパス教育,遠隔教育システムとして活用できる,小学生向け,高校生向けおよび教師向けの統計教育e-Learning,e-Stat を開発公開し,鳴門教育大学から提供する。これについての報告である。