日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
植物由来染料(草木染め)の各種繊維に対する染着特性
小川 原紗希星川 幸子天木 桂子
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2007 年 24 巻 1 号 p. 15-16

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抄録
草木染めに用いられる天然染料として 2 種類のハーブを取り上げ,効果的な色素の抽出条件,各種繊維に対する染色挙動を探った.用いたハーブは各種料理にも使用されるローズマリー(和名:マンネンロウ)およびクローブ(和名:丁子)の乾燥葉(市販品)である.まず,適切な色素抽出溶媒を探ることを目的として,水,酸,アルカリ,アルコール,有機溶媒中で抽出したところ,最も濃色な抽出液を得られたのは水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液であった.さらにこの抽出液を用いて各種繊維に対し様々な条件下で染色を行ったところ,主として黄-茶系の色相が得られた.最も染着性が高いと判断されたのはタンパク質系繊維の毛,絹で,染色時の pH は酸性であった.また,各種金属を用いて媒染を行ったところ,いくつかの無媒染とは異なる新しい色相が得られ,さらに先媒染より後媒染が効果的であった.
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© 2007 一般社団法人 日本科学教育学会
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