抄録
米苗床用容器に緑色植物を植え,それを校舎の屋上に並べて屋上緑化した所の真下と,それのない所の下にある2部屋の温度を測った。同時にその真横に位置する2教室の温度も測定した。その結果,天候にも依るが真下や真横の室内温度は植物容器がある所はない所に比べて 2 ~ 4 ℃程,外気温度に比べて数℃低くなっていることが判った。
その一方で昨年に引き続き校舎南側に蔓性植物を植え込み「グリーン・カ-テン」として使用した。そのカ-テンの有無による室内温度の違いについて,それぞれの学校や事業所毎に測定が行われている。それによると測温箇所にもよるが,カ-テンがある所はない所に比べて 2 ~ 3 ℃,外気温に比べて数℃低くなるなどが明らかになってきた。
この屋上緑化やグリーン・カ-テンのための植栽,その後の管理,温度測定などが理科学習,環境学習,総合学習,食育などに使われ,自然への興味や関心を高めると共に,地域住民と連携した交流に繋がっている。これらが契機となり県も新たな省エネの普及啓発を県立学校等で始めた。