日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
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発表
身近なものを使った消化のしくみを学ぶ実験の工夫
-味覚による体感や視覚で学ぶ-
西野 秀昭
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2007 年 24 巻 2 号 p. 133-136

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抄録

中学校理科「生命を維持するはたらき」の教員研修において,消化のしくみを呈色反応で確かめる以外に,視覚的に捉える実験方法はないか,という要望が教師から出されていた.そこで,視覚に加え味覚にも着目し,食品として販売されている,デンプンとブドウ糖の味の違いを事前に確認することから実験を始め,デンプンとブドウ糖を混ぜた混液をろ過すると,デンプンはろ紙に残りブドウ糖はろ液に出てしまうことを味で確かめ,デンプンは大きな分子であり,ブドウ糖は小さな分子であることを実感する実験や,デンプンをホットプレートで温めながらアミラーゼを加えてデンプンを水飴状に変えて味をみる実験,焼き芋はアミラーゼを働かせるために低温で長い時間焼く方が甘くなること,水や加熱しただ液,未処理のだ液のうち,馬鈴薯デンプンでできた袋状のオブラートが最初に溶けて漏れてくるのは未処理のだ液であることから考察する実験など紹介した.事後アンケートの結果,授業で取り入れたいとの回答が参加者全員から得られた.(431 文字)

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© 2007 一般社団法人 日本科学教育学会
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