2014 年 29 巻 9 号 p. 71-76
本研究の目的は,統計教育先進国として国際的に評価の高いニュージーランドの教科書記載内容を分析し,今後の日本での統計教材・カリキュラム開発のための示唆を得ることである。そのためにまず,ニュージーランドの教育制度とカリキュラムについて紹介し,その上で日本の小学校第1学年から第6学年に相当する学年を対象として設計された教科書の記載内容を分析した。結果として,次の2つの提案を導出することができた。提案1:統計グラフの指導を特定の学年・単元に固定せずに複数の学年で扱うこと。提案2:多変数のデータを関連付けて分析するような活動を取り入れること。