科学の内容的・手続き的な知識,メタ科学的な知識に着目して,アメリカの科学スダンダ ード・カリキュラム・教科書における問いの設定の学習内容の構成を調査した。科学スタンダードでは,第一に,小学校から高校段階にかけて,問いの設定に関する手続き的・メタ科学的な知識の習得が図られるように構成されていた。第二に,問いの設定に関する学習内容としての手続き的・メタ科学的な知識は,問いの種類,問いの条件,議論に係わる問いの3 つに分類しうるものとなっていた。 一方,教科書や補助教材では,第一に,科学的な問いの重要性や具体的な事例が中心的な内容であった。第二に,科学的な問いの定義が提示されている場合,観察や情報の収集で答えられるのが科学的な問いとされ,科学的には答えられない問いの性質や具体例も併せて提示されていた。第三に,特定の事物・事象に即して問いを立てるという学習場面の設定は,ほとんど見られず,実際の授業での指導に委ねられていると推察されるのであった。