2019 年 34 巻 3 号 p. 195-198
現代を生きる子どもたちは,生まれた時から身近に電子機器が存在しているためインターネットを使うことに対して抵抗を感じることがなくなっている.我々はインターネットやAIとの関わり方を考え,AIに打ち勝つために,人間らしさを特徴づける特異点を見出さなければならない.本稿の目的は,AIに打ち勝ち,人間らしい学びを生み出す問いを提示することにある.人間らしい学びには自己のフレームワークを持つことが手掛かりとなる.題材として,本稿は,算数科に記されている1週間のけがを題材とする.本稿の結論としては,どこでどんなけがをする人が多いのかという問いに対して,「広さ」という連続量を問いの材料として考慮することが人間らしい学びになることを示唆として得た.