高等学校では,理科や総合的な探究の時間等において,科学的探究能力育成のため,課題研究等の探究活動が行われているが,その指導の在り方については学校又は教員個々の工夫に依っているところが大きい.そこで,自然科学系の課題研究の指導において必要とされる事項を明らかにし,それら指導事項についての高校教員の意識調査を行った.その結果,課題研究の指導事項として25項目を抽出することができ,理科における探究の過程との対応について整理した.また,課題研究の指導事項についての意識調査を分析したところ,自然現象に対する気付き,課題の設定,考察・推論に関する指導事項は十分意識して指導が行われているものの,仮説の設定,検証計画の立案,結果の処理に関する指導事項については,教員の意識の差が大きい項目や十分意識されていない項目があることが明らかとなった.