日本科学教育学会研究会研究報告
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発表
高大接続:大学文系学部入試数学必須の動き
渡辺 信青木 孝子
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2021 年 35 巻 8 号 p. 23-26

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抄録

高大接続は大学入学試験を変えることによって、高校・入試・大学を変える試みは良い結果は出なかった。学問を学ぶ姿勢を変える試みとして、Active Learningを取り入れ、高校では『主体的・対話的・深い学び』とし、大学では初年度教育に力を入れた。センター試験から共通テストへの改革は効果を発揮できない。このような学問を学ぶ姿勢ではなく、学問の内容で高大接続を考える動きが出てきた。専門教育に数学が必要と考えて入試に数学を必須にした私立大学の動きに注目し、もう一つの高大接続の必要性を考えたい。英語はすべての大学での入学試験科目になっているが、この英語教育には高大接続が壊れ始めている。大学の専門を学ぶ上で高大接続が重要であることを問う。学問を学ぶ態度・姿勢ではなく、学問の内容・カリキュラムから新しい方向を持った高大接続の必要性を指摘する。学問の学びの場としての高校と大学の接続の問題は、学問を主軸として捉えるべきであり、入試改革ではない。

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